自然と人間の共生した社会実現に寄与すべく、八ヶ岳南麓であれこれ考え実験した記録をつづります

『自分を愛する力』に書かれたオリジナルな人生の歩み方

乙武さんの『自分を愛する力』
を読みました。

自分を愛する力 (講談社現代新書)
自分を愛する力 (講談社現代新書) [新書]


自己肯定感の大切さと
それがどのようにして育まれるかを
乙武さん自身の、
幼少期、教師、父親、
3つの立場での体験をもとに、
語っています。

子育て真っ最中の私にとって、
興味深い内容ばかりでした。

そこに書かれていたのは、
ありもしない正解を求めたり、
社会の常識に合わせたりするのではなく
自分を価値ある人間と信じ、
自分らしく強く優しく生きるために、
子供達の近くにいる
親や教師はどう接するべきか
ということでした。

以下、印象に残った箇所を
引用します。

0713-3
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1、人生の幸不幸は条件ではない
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健常者に生まれたっからといって
幸せな人生を歩めるとは限らない。

そして、
障害者に生まれたからといって、
不幸になるともかぎらない。

つまり、生きてみなければ
その人の人生が不幸かどうかなんて
分からない。


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2、現状を受け入れると強さが生まれる
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いまの僕があるのは、
障碍者であることを含めて、
自分のことを受け入れ、
認めているからだ。

きっと健常者だって同じはずだ。

自分のことを受け入れることが
できていれば、
他人から見てどんな苦しい状況に
立たされようとも、
前を向いて、
力強く歩くことができる。


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3、成功体験の積み重ねが自信を深める
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だれもが難なく使いこなせる
ようになるハサミだって、
僕にとっては難易度の高い大技。
持ち手の一方を利き腕である左手で支え、
もう一方を口に加え、
ハサミ全体を推し進めるようにして
紙を切ることが
できるようになったときのよろこびは、
30年近く経った今でも忘れずにいる。



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4、自分で答えを見つける努力が自助の精神を育む
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結論が同じだったとしても、
それが「親に言われたから」なのか、
「自分がそう思ったから」なのかで、
彼の捉え方は大きく違ってくるはずだ。

子供を上から
ひょういとつまみ上げ、
一気にゴールまで
連れて行ってしまうことは
かんたんだ。

しかし、僕はあくまで
あちこち道草を食いながらも
のんびりと自分の足で歩いている子供に
寄り添える親だありたい。

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5、自分にしか果たせない使命がある
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ジグソーパズルは、
ひとつひとつのピースを見ると
あっちがでっぱっていたり、
こっちがへこんでいたり、
ずいぶんといびつな形をしている。

だが、それぞれのピースを組みたて
つなぎ合わせていくと、
最後には美しい絵や写真が出来上がる。

もっと言えば、
たったひとつのピースがかけただけで、
全体は未完成となる。

つまり、どんないびつでも
ひとつひととが欠かせないピースなのだ。



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上記のなかにあえて含めませんでしたが、
「親である前に、一人の人間として
自分の人生を幸せに生きていることが大切」
との一文が、
個人的には一番心に残りました。

これから自我が芽生えてくる
息子を持つ親として
この時期に出合えて良かったと
思えた一冊でした。