自然と人間の共生した社会実現に寄与すべく、八ヶ岳南麓であれこれ考え実験した記録をつづります

全人類の役に立つような仕事を!そんな志を貫くベンチャー企業の社長の本のレビュー

間もなく3月が終わります。
2013年になってから読了した本が13冊。

その中で一番インパクトがあったのは
なんと本年一番最初に読み終えた本でした。
食物連鎖の最下層に位置するミドリムシは、
優れたCO2吸収能力や、
59種類もの栄養素を生成する能力を
持っており、
食糧問題や地球温暖化など、
人類が直面する問題を解決できる
可能性をもっているのですが、
その独特の生態から実用化は
ほぼ不可能とされていました。

このミドリムシの実用化に人生をかけた
著者の想いがぎっしりと詰まった一冊です。

著者がその志を立てたのは、
今から約10年ほど前の大学生の時でした。

インターンバングラデシュを訪れた時に
目の当たりにした
現地の食糧問題の深刻さ。

帰国して間も無く知った
ミドリムシの可能性。

以来、
バングラディッシュの子供達に
ミドリムシという魔法の食べ物を届けること」
が彼の大きな夢となります。

その実現に至るまでの過程では、
彼のその夢への本気度を試すかのように、
次々と色々な試練が襲いかかってきましたが、
その度に彼は夢への情熱を燃やし、
彼のその情熱に引き寄せられるように
協力者が集まってくるように…。

たった一人では何もできないけれど、
何かを成し遂げるためには、
まず一人の思いから始まる。

本書を通して、情熱を持ち続けること、
そしてそれを相手に伝わるまで
伝え続けることの大切さを再確認しました。

そしてその情熱を支えるのは、
きっとこんな思いなのだと思います。

「一人の研究者として全人類の
 役に立つような仕事がしたかった。」

こんな言葉を息子に言えるような
父親でありたいと強く思います。