自然と人間の共生した社会実現に寄与すべく、八ヶ岳南麓であれこれ考え実験した記録をつづります

すべては勇気を持って一歩を踏み出した人のために~六本木ビブリオのプレゼンの変遷を振り返る

日本のトップ10%のレベルのプレゼン大会

このコメントは
戦略的プレゼンテーションの野村先生が、
ご自身のウェブサイトの記事中にて
六本木ビブリオバトルに何度か
コメンテーターとして参加されてのものです。

皆さんだったら、こんな評価のイベントで
プレゼンしたいと思いますか?

この言葉だけを聞いたら
私は見物したいとは思いますが
プレゼンをやりたいとは思わないです。

しかし実際には
毎回3割から4割の方が
プレゼンに初挑戦して下さっています。

日本のトップ10%のレベルの
プレゼン大会なのに
新たな挑戦者が後を絶たない。

その理由について考えてみました。

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 独自路線を突き進む六本木ビブリオ
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そもそも六本木ビブリオバトル
プレゼンは、独自路線を突き進んでいる
ように思います。

一般的なビブリオバトルはこんな感じです。



聞き手に本の内容を紹介するプレゼンが
割と一般的なようです。

ですから
「この本は~」で始まるフレーズが多いです。


これが六本木ビブリオではどうか?

もともと六本木ビブリオバトルのルーツが、
原宿で開催していた読書会や
恵比寿の読書会だったこともあり、
「聞き手に取ってどんなメリットがあるか?」
という点に焦点を当てたプレゼンに
多くの票が集まっていました。

【第1回六本木ビブリオバトル優勝プレゼン】




【第3回六本木ビブリオバトルの優勝プレゼン】



聞き手の興味や心境を念頭に
「この本を読むとどんなメリットがあるか」
を語って言います。

一般的なビブリオバトルでは
当然のように語られている本の内容には
あまりというかほとんど触れていません。

このあたりは、
「読みたいと思った本に票を入れる」
というルールの中で、
どうやったら勝てるか?を
プレゼンターの方が
真剣に考えて下さった結果として、
回を重ねていくに従って差別化が
進んでいったように思います。

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「メリット」から「ビジョンや生き方」への共感へ
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しかし、今年の1月15日。
この指標に大きな変化が起こりました。

適切な言葉が思い浮かばないのですが、
「この本から何が得られるか」
というプレゼンから
「この本を通して何を実現したいのか」という、
理想やビジョン、目指すべき生き方などの
自分にしか語れないであろう
情熱を伝えるプレゼン。とでもいいましょうか。

プレゼンの評価軸が大きく変化しました。

そのときの優勝プレゼンはこれです。




その後に行われた
3.19六本木ヒルズでのビブリオに向けた
予選会でもこのような、
心を揺さぶられる数々の
プレゼンの連続でした。




本の内容や本を読んで得られるメリットを
伝えるプレゼンテーションは
極端なことを言えば、誰でもできます。

つまりプレゼンがの上手い下手で
勝敗が決する可能性が高かったわけです。

しかし、ここ最近の指標である
理想やビジョン、目指すべき生き方など
自分にしか語れないであろう想いを
本を通して語るプレゼンテーションは、
プレゼンの上手い下手で勝敗が
決する可能性は低くなります。

もっと言えば同じ本でプレゼンしても
このような指標であれば、
語られる内容はきっと大きく異なることでしょう。

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すべてのファシリテーションは一歩踏み出す人のために
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新しい自分に挑戦する機会を
一人でも多くの人に提供する。

こんなビジョンを掲げてきましたが、
このようにみていくと、
プレゼンの指標が掲げているビジョンに
近づいてきたように思います。

自分が人前で伝えずにはおれない
熱い何かを勇気を持ってプレゼンすることが、
そのまま、自分の殻を破るきっかけに
なっているのでは?ということです。

「読みたいと思ってもらえるプレゼン」
であることは、他のビブリオバトル
何ら変わらないのですが、そこに、
自分なりの体験や想いをのっけているぶん、
聞き手の心を大きく揺さぶります。

そして、
自分の殻を破る姿を目の当たりにした
聞き手の中から「自分も出てみたい!」
という次のプレゼンターが誕生する。

そんなサイクルが生まれているような
気がします。

主催陣の行動指針はシンプルです。

「すべてのファシリテーションは、
勇気を持って一歩を踏み出した人を
暖かく迎えるために」


この行動指針は、
常連のオーディエンスさんにも
浸透してきているように感じます。

この安心感が挑戦する勇気を
与えてくれるのではないかと思います。

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六本木ビブリオバトル
勇気を持って前に立つプレゼンター、
それを温かく迎えるオーディエンス、
そして場を提供させて頂く主催陣、
その場に居合わせた全員で作り上げる
即興劇のようなものです。

細かい筋書きなんて一切ありません。

来る3.19は六本木ヒルズ49Fの
六本木ライブラリーにて
アカデミーヒルズさんとコラボの
ビブリオバトルを開催致します。

次回はどんな即興劇になるのか?
結末は誰にも分かりません。

0307-02