自然と人間の共生した社会実現に寄与すべく、八ヶ岳南麓であれこれ考え実験した記録をつづります

諸君、制帽を廃止したくばまずその制帽を着用せよ

ルールを変えるには、順序がある。

中学校の時に
そんなことを教わりました。

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私は、中高一貫の私立に
6年間通いました。

ふつうの私立に比べると
授業のコマ数も少なく、
厳しい規則も見当たりません。

水曜日と土曜日は
授業が午前中でおしまいです。

そんな自由な校風にあって
中学校の生徒にはひとつ
小さな?悩みがありました。

それが、
色気づいてきた中学生からすれば、
決してセンスが良いとは言い難い
制帽を着用して登下校しなければ
ならないという規則です。

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たしかこんな感じです。

高校に進むと着用の義務がなくなるため、
中学2、3年と学年が上がるにつれて
登下校時の着用率が下がっていきます。

登校時は、校門の手前で制帽をかぶる。
下校時は、校門を出たら制帽を外す。

真面目にかぶっているのは、
入学して間もない1年生くらい。

そんな状況に中学校の生徒会が動き、
「中学校の制帽廃止」 を提案しました。 

その提案がなされたと聞いて
しばらくたったホームルームの時間に、
クラスの担任から言われたのが
この言葉でした。

「制帽を廃止したければ、
 まず、制帽をきちんと着用しなさい。
 話はそれからだ。」 

この言葉を聞いたのは
きっと中学二年の夏。

もう20年ちかく前のことです。

人生経験を積むにつれて、
大なり小なり物事を変えることの
難しさを感じてきました。

現状に対して
不平や不満の声をあげても
たいてい何も変わらないこと。

結局、人の心が動かないと
物事は変わらないこと。

そんなことを、最近よく感じます。

その相手の心を動かす、
自分たちの主張に耳を傾けてもらう
手段のひとつとして、
まずルールに従う、というのは
非常に有効だと私は思います。

しかも、従ってみて初めて分かることが
実は結構あったりまします。

さて、肝心の制帽ですが、
私の記憶によれば、
高校在学中に、無事に廃止されました。

そして、数年前には、
共学に変わったことに合わせて
校舎や制服などを一新したそうです。

今更ながら
あの時の制帽が懐かしく思い出されます。