自然と人間の共生した社会実現に寄与すべく、八ヶ岳南麓であれこれ考え実験した記録をつづります

宇宙飛行士に絶対不可欠なマインド~初めての朝活で紹介した本から(2)

昨日このブログで、
『宇宙飛行士選抜試験』
という本について
書かせていただきました。

その続きです。

JAXAが主催する宇宙飛行士の
選抜試験において重視される
4つの資質を紹介しましたが、
その本を読む限りJAXAは、
この4つのうち、
「危機を乗り越える力」が
最も重視しているようようです。

それを象徴するのが、
10人を2グループに分けて行われた
国際宇宙ステーションで暮らす
宇宙飛行士の心を癒すロボットを作る」
という試験でした。

割り当てられた時間は3時間×4日間。

4日目の作業終了後に審査員に対して
プレゼンを行う。

このような予定に合わせて
両チームともに作業に取りかかります。

しかし審査員から不意に、
中間プレゼンを行うよう指示を受け、
未完成していたロボットを用いて
コンセプトや魅力を説明することに。

両チームとも無難に
プレゼンをこなしたものの
審査員からの講評はさんざんでした。

コンセプトの根幹に疑問を
呈するような意見や、
一からやり直しを命じるような意見が
たくさん出されました。

両チーム共に、
暗い雰囲気に包まれていました。

しかし、
審査員のねらいは、この状況から、
各員がどのように行動するかを
観察することにあったのです。

宇宙空間ではいつ、
どんなトラブルに見舞われるかわかりません。

機器の故障や、電気系統のトラブル、宇宙空間を
漂う残骸が船の壁に穴を開ける、
といったことはいつでも起こりうることです。

そういった危機的な状況に対して、
迅速かつ正確に対処できる能力は、
宇宙飛行士として
当然身につけておかなければなりません。

そして何より、
どんな絶望的な状況に立たされても
諦めない強い精神力が求められます。

それを象徴するアポロ13号の
エピソードが紹介されていました。

アポロ13号は、
人類類初の月面着陸成功から半年後の
1971年4月に打ち上げられました。

順調な飛行を続けていたアポロ13号は
地球を離れて2日後に、
トラブルに見舞われました。

小さな電気回線のショートが原因で
船内に酸素を供給する酸素タンクが爆発、
酸素と水と電気を
新たに供給できなくなるという
危機的な事態に直面します。

地球へ帰還するまでの100時間。

船長を始めとする3人の乗組員は、
この危機的な状況で諦めることなく、
一つ一つ課題を地上との交信を助けに、
克服していきました。

そして、爆発から4日目、
ついにアポロ13号は
地球へ無事に帰還しました。

Failure is not an option.
-失敗に終わるというのは、
我々に許された選択肢ではない-


アポロ13号を地上から指示をだした
管制チームのリーダーの言葉です。

どんな危機に陥っても冷静に対応し、
壁を乗り越えていく判断力と実行力。

これこそが、
JAXAが求める“危機を乗り越える力”
だったのです。