自然と人間の共生した社会実現に寄与すべく、八ヶ岳南麓であれこれ考え実験した記録をつづります

スキルの習得よりも大切なこと~「ストーリーとしての競争戦略」著者の新刊を読んで思ったこと

身近な人の凄さって
案外見過ごされがちです。

が、先日この本を読んでいたらと、
同僚の名前が思い浮かび、
そのすごさを再確認しました。

経営センスの論理 (新潮新書)
経営センスの論理 (新潮新書) [単行本]

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スキルではなくセンスの問題
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ます、本書で著者が
訴えていることのひとつが
「スキル」と「センス」の違いです。

英会話や財務諸表の読み方、
現在企業価値の計算であれば、
スキルを身につければ何とかなる。

しかしスキルだけで経営はできない。

戦略を創るというのは、
スキルだけでは
どうにもならない仕事だ。

優れた戦略をつくるために
第一義的に必要なのは何か。

それは「センス」としか言いようがない。

サッカーで言えば、
いくらボールコントロールの
スキルを身につけても
試合の流れの中で、
最適な位置でボールを受けて
次のプレーにつながるように
ボールを扱えなければ
意味がない。

この違いがここで著者が言う
「センス」だと理解しました。

やっかいなのは、
スキルは計れるが、
センスはそれができない

という点です。

ですから、
本来はセンスの問題なのに
スキルを身につけたら解決できると
安易に思ってしまう、
という落とし穴が潜んでいる訳です。

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概念を抽出してわかりやすく伝える
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話がそれましたが、
件の箇所の一つがこの一文。

優れた経営者というのは、
抽象化してストーリーを理解し、
その本質を見破る能力に長けている。

この一文で思い浮かんだのが、
最近結婚した同僚のS田さん。

彼は複数の事例の背後にある
共通の要因を見抜くセンスが抜群です。

さらに、それらを明快な文書で
表現するのことが抜群に上手い。

引用文のような能力とは
まさしく彼のことと思ったわけです。

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「具体」と「抽象」の往復
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著者は、別の章で、
「具体と抽象の往復運動」という
タイトルで以下のように主張しています。

仕事は常に具体的なものである。

しかし、抽象化なり論理化の力がないと、
すぐに行き詰まってしまう。

思考が具体ベタベタ、バラバラになり、
目線が低く、視野が狭くなり、
すぐに行き詰まってしまう。

この点においてもS田さんと会話をしていると
「具体」から「抽象」へ、「抽象」から「具体」へ、
という思考の往復運動の深さを感じます。
(単純に私の思考が浅いだけかもしれませんが)


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S田さんのような能力は
私にはありませんが、
「スキルとセンスの違い」という視点は、
忘れないでおこうと思った次第です。