スチームミルクに想いをのせて
かつて、東京日本橋にある
チェーン店のカフェで
バイトをしていた時期があります。
これが、私がカフェ好きな理由の一つです。
「その一杯に愛情をこめる」
という理念に共感し応募したお店で、
朝7:00のオープンからお昼過ぎまでの
時間帯で週3~5日ほど働いていました。
入りたての頃は、
主にレジを担当しており、
カフェの花形であるバリスタを
任されるには1ヶ月ほどを要しました。
エスプレッソショットの落とし方や
スチームミルクを焚いて、
ラテなどに注ぎ込むコツ。
注文に応じて、臨機応変に
これら一連の作業を同時並行で行う
までには、少々苦労しました。
が、慣れてくると
朝のすがすがしい時間帯に
入店してくるお客さん一人一人の顔を見ながら
注文の品を作れるようになり、
徐々に常連さんの顔を覚えるようになり、
時に一言二言の会話を交わすこともありました。
「今朝はよく晴れましたね」
「いつもどんな本を読まれているのですか?」
短いこんなやり取りをすると、
不思議とこんな想いが湧いてきます。
「美味しい一杯を飲んで頂きたい」
注ぎ込むスチームミルクに
こんな想いを乗せていた、
あの頃の自分を懐かしく思い出しながら、
自宅でコーヒーをいれてみました。