自然と人間の共生した社会実現に寄与すべく、八ヶ岳南麓であれこれ考え実験した記録をつづります

人と本の出会いを紡ぐことをライフワークにする素敵な人のことを書いた本

大型書店に行くと、
かなりの確率でストレスを感じてしまう私。

読みたい本がありすぎて、
出てくる頃には
心が疲れてしまうからでしょうか。

そんな私にとって
目から鱗が落ちるような仕事をしている人が
いることを、最近読んだ本で知りました。

ブックエディターの幅充孝さんです。

本の声を聴け ブックディレクター幅允孝の仕事

本の声を聴け ブックディレクター幅允孝の仕事 [単行本]

ブックエディターとは、本の編集ならぬ、
本棚の編集を仕事とする人のことです。

「本を本棚に並べるとき、
ある意図を持って本を並べ
 本棚全体を通して、見る者に、
メッセージや世界観のようなものを
感じさせるという仕事」


いったいどこに本棚を?
という疑問が湧いてきますが、
彼が手がけた本棚は、
六本木ヒルズ東京ミッドタウンと言った
有名ショッピングモールの一角から、
病院やスポーツショップ、美容院など
一見本とは縁のなさそうなば場所まで
日本全国にあります。

欲しい本は、ネットで注文すれば
翌日には自宅に届き、、
書店に足を運ぶ意味が
失われつつあるように思われる現代ですが、
彼は、書店は、
「幸運な事故を誘発する場」
であるべきだと主張しています。

何気なく入った本屋で
自分にあった本や
思わぬ掘り出し物、
場合によっては人生を変えるような
本に出合うアクシデント。

書店は、そういう出会いの場所と
ならなければいけない。


アマゾンでは得られない
未知の本との出会いが
「書店」の持つ魅力だと考えているのです。

このようなリアルの書店、
言い換えると本棚の魅力を
最大限に引き出すために
彼が工夫しているのが、
本の並べ方です。

一般的な分類で機械的に
並べていくのではなく
恋、宇宙、美味しいもの、冒険、といった
人の日常生活に寄り添ったくくりで
いい!と思ったものを
どんどんリンクさせながら
並べていきます。

そんな風にして出来た本棚は
不思議と前に立つ人のインスピレーションを
喚起し、時間を忘れさせるくらいの楽しさを
与えてくれるそうです。

しかも、彼が手がけた本棚は
売り上げが3~4倍に。

「売り上げを伸ばすよりも、
本って悪くないよね、という人が
毎年1%ずつ増える状況を30年間
作り続ける、そんな小さな会社が理想的です。
社員をたくさんにして取引先も増やし、
売り上げも倍増だ!みたいなことを目指すと
たぶん脇が甘くなる。
細やかな心配りとか慮りで成立している仕事だから。」


本と人をつなぐことに
静かな情熱を傾ける幅さん。

素直に、カッコイイと思いました。

そして、自分が関わっている仕事にも
行かせる素晴らしい考え方だと思いました。

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彼が手がけた本棚があるカフェが
新宿にあるので、今度行って見ようと思います。

※ブルックリンパーラー