自然と人間の共生した社会実現に寄与すべく、八ヶ岳南麓であれこれ考え実験した記録をつづります

牢屋の窓からでも星を見る生き方を~新年度になって読み返した一冊(1)「道はひらける」

昨日から職場で、
新入職員研修会が行われています。

新年度を迎えたことに伴って、
自分の気持ちをリセットしたいと思い、
昨晩この本を開いて
パラパラと読み返しました。


道は開ける 新装版

道は開ける 新装版 [単行本]

赴くままにページをめくっていて
ふと心に残った一節を
紹介したいと思います。

大略以下のような内容です。

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戦争中、私の夫は、
カリフォルニアのモハーベ砂漠に近い
陸軍教習所に配属されました。

私も夫のそばにいたかったので、
そこに引っ越したのですが
私はそこがきらいでした。

胸がムカムカして、
あんなみじめな思いをしたことは
ありません。

夫はモハーベ砂漠での演習に
参加するように命ぜられ、
私は小さな掘立て小屋に
一人で取り残されました。

耐えきれないほどの猛暑-
サボテンの日陰さえ
華氏125度ありました。

話し相手は誰もいません。

風が絶えず吹きまくり、
口にする食べ物も呼吸する空気も、

何もかも砂、砂、砂だらけでした。

すっかり意気消沈し
我が身を悲しんだ私は
両親に手紙を書きました。

どうしても我慢できないので
家に帰りたい、
一分間でもいたくない、
刑務所の方がまだマシだと
訴えたのです。


手紙に対する父の返事は
わずか二行の言葉でした。

刑務所の鉄格子のあいだから
ふたりの男が星をみた

ひとりは泥をながめ、
ひとりは星をながめた


私はこの二行を何回も読み返しました。
自分が恥ずかしくなりました。

私は現在の状態から
何か有益なものを見つけようと決心しました。

星を探そうとしたのです。

私は先住民と友達になってみて、
彼らの対応ぶりにびっくりしました。

私が彼らの織物や陶磁器に興味を示すと、
観光客にも売らないような大切な品物でも、
私にプレゼントしてくれました。

奇妙な格好をしたサボテン、リュウゼツラン、
ヨシュアの木について研究し、
プレーリードッグについて調べ、
砂漠の夕陽をながめ、
砂漠の砂が海底であったころの
何百万年もむかしに残された貝殻を
探したりしたのです。


いったい何が私にこのおどろくべき変化を
もたらしたのでしょう?

モハーベ砂漠が変わった訳ではありません。

私が変わったのです。
私が心構えを変えたのです。

そうすることによって、私はみじめな経験を、
生涯でもっともおもしろい冒険に変えたのです。

私は自分の発見した新しい世界から刺激を受け、
興奮のあまり、それを題材として
『輝ける城壁』という小説を書きました。

私は自分のつくった刑務所から外を見て、
星を見つけたのです。

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このエピソードにつづけて、
著者のカーネギーはこのように言います。

私たちの人生で起こる出来事のうち、
およそ90%は正しく、10%は誤りである。

幸福な人生を送りたかったら
10%の誤りを無視して
90%の正しいことに注目すべきである。



今春から新しい環境に身を置くことになった
方も多いことと思います。

そのような時こそ、
モノゴトの光明面を見るということを
意識してみてはいかがでしょうか。

新年度を迎えるに当たっての
私自身の心構えとして、
このエピソードを紹介させて頂きました。