自然と人間の共生した社会実現に寄与すべく、八ヶ岳南麓であれこれ考え実験した記録をつづります

あの日から2年…私たちは未来世代のためにどんな決断をすべきなのか

今日は、東日本大震災の発生からちょうど2年。

改めて亡くなられた方々のご冥福と
被災された方々の苦しみが少しでも癒されるよう
祈らせて頂きます。

押し寄せる津波の猛威や
原発事故を目の当たりにして、
私たちの便利な生活を支えている
社会のあり方に対して
疑問を持った方も少なくなかったのでは
ないでしょうか。

現在読み進めている『知の逆転』に
興味深いことが書かれていました。

知の逆転 (NHK出版新書 395)

知の逆転 (NHK出版新書 395) [新書]

世界を代表する6人の知識人への
インタビュー記事を1冊にまとめた本です。

この本のトップに掲載されている
ジャレド・ダイアモンドのインタビューが
なかなか刺激的でした。

氏の代表的な著書である『文明崩壊』について
言及しています。

文明崩壊 上: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)

文明崩壊 上: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫) [文庫]


【文明崩壊に密接に関係する5つの要素】

1、環境に対する取り返しのつかない人為的影響
2、気候の変化
3、敵対する近隣諸国との対立
4、友好国からの疎遠
5、環境問題に対する誤った対処


『文明崩壊』は、
上下巻で1000ページを超える大作ですが
ダイアモンドが言わんとする結論は
この5つの要素に尽きるようです。

私たち先進諸国が享受している
ライフスタイルは、少なくとも1に該当してる
と考えられます。

また、世界の科学者の間で、
人間の活動によって地球温暖化
はじめとする気候変動が起こってきている
という見解が一致してきていることから、
2も該当していると考えられます。

さらに、現在このような課題に対して
人類全体として効果的な対策を
打ち出せていない状況にあることから、
5も当てはまるのではないでしょうか。

ジャレドはインタビューの中で
「あと20-30年もすれば、さらに30億人もの人間が
 大量消費するようになって、資源の枯渇に
 拍車がかかるのは明らかですが、
 このことが暴力的な戦いにつながるかどうかは、
 われわれの決断にかかっています。」

と述べており、私たちの今の生活が
持続不可能であることを明確に述べています。

氏のインタビューを通して、
震災からの復興が
今までの便利な生活に戻ることではなく
未来世代のことや、
他の生物との共生ということも視野に入れた、
今までとは別の方向に進むべきなのだと
改めて思った次第です。