自然と人間の共生した社会実現に寄与すべく、八ヶ岳南麓であれこれ考え実験した記録をつづります

人を動かす技術をいくら磨いても人は動かせないかもしれない件

  • 『人を動かす技術』という本を読みました!


ひとを動かす技術

ひとを動かす技術 [単行本]

本のタイトルから、
人を動かすためのテクニック集かな
と思って読み始めましたが、
全然違いました。

「戦略と計画、
予測とそこへ到達するためのロードマップ、
こうしたものだけでは物事は動かないし、何も起こらない。
何かを成し遂げるには、人を巻き込まなくてはならない。」


このように説く本書の「人を動かす」という定義は、
圧倒的なプレゼンで相手を無理やり
説得して何かをさせることではなく、
「相手が自発的に動くように、こちらが振る舞うこと」

言い換えると
「説得するのではなく心を動かすこと」
でした。

そのためには、
・相手の利益に焦点をあてる、
・何を語るかではなく、どうあるか
この2点こそが相手の心を動かす。

と書かれていました。

「人に影響を与える力は、
 劇のセリフのようにリハーサルできるものじゃない。
 どれだけうまくしゃべっても、
 相手は言葉の裏にある気持ちを読むことができる。」
 
「人に何かを伝えるとき、
言葉で伝わるものはごくわずか。
行動によってつたわるものはそれ以上だけど、
一番伝わるのは、
「自分がなにものであるか」という自分のありかた。」



影響力の問題であると同時に
リーダーシップや生き方にもつながる内容で、
これらのことに関してもかなり言及されています。

本書の主題とは異なるかもしれませんが、
以下の一節が、最も私の心に残りました。
「どんな組織でも、最大の課題は、
そこに関わる人々のまわりを、
つねに不安と疑いの雲が取り巻くことだ。

リーダーの仕事とは、そんな中で、
常にはっきりとしたビジョンを持ち続け、
一点の曇りもなく、進路を示し続けることだ

他の誰にも見えていないときも、
自分だけはしっかりとそのビジョンを
見続けなくてはならない。

いや、とくに、他の誰にも見えていない時にこそだ。
人々はリーダーにはビジョンが見てていると信じている。
それを見失わないことが、リーダーとして最も大事な仕事だ。」