自然と人間の共生した社会実現に寄与すべく、八ヶ岳南麓であれこれ考え実験した記録をつづります

地域清掃に学ぶ社会変革入門

FBでごみ拾いのイベントを
仕掛けたことがあります。

http://www.facebook.com/events/340522722699893/

このイベント参加を呼び掛けるために、
ゴミ拾いに関する書籍を読んで発信しようと思い
過去に読んだことのある2冊を読み返しました。

『半ケツとゴミ拾い』、
『逆転のボランティア』
の2冊です。

半ケツとゴミ拾い
半ケツとゴミ拾い [単行本]

著者の荒川祐二さんは、学生時代に
1本のドキュメンタリー映画を見たことを
きっかけに、

「自信がない、夢や目標もない、
恵まれた環境に甘えて生きてきた
自分を変えたい」

との思いで、
日本有数の繁華街がある
新宿駅東口の掃除を
たった一人で始めます。

想像を超えるゴミの多さや
ヤクザの妨害などで、
何度も心が折れそうになりながら
懸命に続けているうちに、
一人また一人と手伝ってくれる人が増えて‥。

数ヶ月後に「日本同時多発エコ」として
日本全国30箇所で約450名ほどが
参加するになるまでの数々のエピソードと、
荒川さん自身の心境の変化が
飾らない言葉で綴られている一冊です。



逆転のボランティア
逆転のボランティア [単行本]


著者の工藤良さんは、
中学2年の時に、
地元の暴走族「極連会」の
最年少メンバーとなり、
数年後には3代目総長に。

程なくして覚醒剤所持で逮捕。

何もやることのない獄中で感じた、
重ねてきた罪の重さや
多くの仲間を暴走族、
果ては覚醒剤にまで
引きづりこんでしまったことに対する
罪悪感。

工藤さんは、
自分だけでなくかつての仲間と
一緒に更正することを決意し
その方法として考えたのが
ボランティアでした。

出所後に仲間を説得に回り、
新たにボランティア団体
Gokurenkaiを結成しました。

活動内容は、月に一回ゴミ拾いを中心とした
ボランティア活動を行うというものでした。

始めは嫌々だった仲間たちも
生まれ育った街のゴミを拾ううちに
徐々に、喜びを感じてくるようになりました。

また、街の人々も暖かい反応へと変わっていき
ゴミ拾いの最中に差し入れをくれる方や、
声をかけてくれる方も。

暴走族をやっていた時に感じたことの無かった
多くの人たちに必要とされる喜びが
メンバーの心を確実に変えていきました。

その後、軌道に乗ったボランティア活動は後輩に任せ
現在まで工藤自身は、自分と同じような境遇の
若者を救うための活動に挺身しておられます。



以上が、この2冊のかんたんな
レビューです。


この2冊に共通するストーリーは
以下の3点だと思いました。

(1)自分を変えたいという動機で始めた。

(2)人に愛を与える行いを続けていると
 その人の心に感謝の思いが芽生える。

(3)実行者の心境の変化
  (自利の目的から利他の目的)
 に呼応するように共感する仲間が現れた。

この3つから導き出された結論(相当な飛躍有り)は
「社会を変えたかったらまず自分が変わること」
でした。

変革を望む社会問題、
国際問題は山積していますが
世の人々を動かすためには、
批判や正論を唱えるだけではなく、
その解決のために何をしているのか
という問題に対する姿勢、

ひいてはその人の生き方が問われる。

このように思った次第です。