自然と人間の共生した社会実現に寄与すべく、八ヶ岳南麓であれこれ考え実験した記録をつづります

国際社会を解明する補助線としての宗教社会学

『世界がわかる宗教社会学入門』
という本を読んでいます。

世界がわかる宗教社会学入門 (ちくま文庫)

世界がわかる宗教社会学入門 (ちくま文庫) [文庫]



読もうと思った理由は、
過日のブログで紹介した池上さんの著書
『この社会で戦う君に知の世界地図をあげよう』
を読んで自分なりに掘り下げて学びたいと
思った分野のひとつが「宗教」だったからです。

私が手にしたのは文庫本化されたものですが、
カードカバーとして出版されたのが2001年6月。

奇しくもその3ヶ月後に
アメリカで世界同時多発テロが起こったために、
宗教、とりわけイスラム教について書かれた本が
世にあまり出ていなかったことから、
当時結構売れたそうです。

まだ途中ではありますが、印象に残った一文を引用します。

「宗教は、その社会の社会構造になっていますから、
 これを補助線にすると、その社会のことを
 統一的に解明できるのです。
 こうした宗教社会学は、
 民族問題が噴出するポスト冷戦時代の国際社会を
 解明するために欠かせない、
 基本的情報を与えてくれるのです。」

日本では信仰を持っているというと
とても希有な印象を受けますが、
世界では何らかの宗教を信じていることがスタンダードであり、
むしろ信仰を持っていない人の方が奇異な目で見られる
という現実があります。

そして人、物、金、情報が世界中を行き交う
グローバル化が加速している現代において、
異なる信仰を持った人同士の交流や情報交換が
盛んに行われるようになっています。

そのような時に、互いの信仰の相違点ばかりが強調されてしまうと
無用な争いを生む温床になりかねません。

果たしてこのような現代において
キリスト教、仏教、イスラム教と言った世界宗教
どうあるべきなのか。

そんな疑問がかねてから自分の中にありました。

現在、6割ほど読み進めていますが
残念ながら今のところこの疑問に対する明快な答えはありません。

めげずに読み進めていこうと思います。